鍼灸(しんきゅう・はりきゅう)とは、鍼(はり)治療と灸(きゅう)治療をおこなうことです。鍼灸治療は3年間国が指定した専門学校で学んだ後、「はり師」、「きゅう師」それぞれの国家試験に合格し、国に登録したも者が「はり師」、「きゅう師」です。その「はり師」「きゅう師」の資格を持った者がおこなう医療類似行為です。「はり師」は「鍼」を用いた施術をおこないます。「きゅう師」は灸を用いた施術をおこないます。「はり師」と「きゅう師」の両方の免許を取得した者の総称が「鍼灸師」です。
①鍼(はり)治療
日本での解釈ですが縫い物に使う「針」と区別するために「鍼」という漢字をあてはめます。「鍼」という漢字は和製漢字です。ちなみに鍼灸の本場中国では「針」の漢字を使います。また、医療行為に使う注射は「針」を使います。
ここでは「鍼治療」を解説いたします。病気は体内の気・血・水の流れが滞っているところに発生すると言われ、その気・血・水の流れを整えるために使うのが金属製(ステンレス、金、銀、他)の「鍼」です。その「鍼」を患者様の体表に現れる「ツボ」(正式には経穴)に接触または刺入して使います。
当院では「鍼」をしっかり刺入し、病の根本原因に響かす方法を用います。また、病の範囲が広いと「鍼」の本数も多くなります。これを「深鍼多鍼(ふかばりたしん)」といい、開院当初から一貫してこの施術法をおこなっています。
治療のメカニズムを解説します。
病が発生している筋肉に「鍼」を刺入し、病の中心部分まで届かします。すると筋肉内に「鍼」でできた「傷」が現れ、その「傷」を修復するために「血液」が集まってきます。その「血液」が持っている細胞成分により「傷」が修復され、同時に病を治癒に向かわせます。人が生まれながらにして持っている病を治す力「自然治癒力」を意図的に促進させるのが「鍼」治療なのです。
ツボ(経穴)について。
ツボとは体表に現れる診断点、治療点です。
肺経
大腸経
胃経
脾経
心経
小腸経
膀胱経
腎経
心包経
三焦経
胆経
肝経
ツボはの十二経絡(六臓六腑)の走行上に現れます。どの経絡に病が発生しているのかをうかがい知ることができます。体表に現れたツボ(経穴)に「鍼」で刺激を与えることで刺激が経絡を伝わり病が発生している部位の血流を増幅させ、病を治癒に向かわせます。